行政書士試験お疲れさまでした!!
長野県行政書士会 諏訪支部 法務部 木村 和彦
令和2年11月8日(日)に2020年度の行政書士試験が行なわれました。今年の全国での受験者数は54,847名。昨年度が52,386名ですから、若干増加していたようです。長野県では長野市と松本市の2会場で651名の受験生でした。
私が受験合格した平成26年度は受験者数が62,172名でしたので、今年よりも多かったのですが、受験者数の最高記録は平成22年度でしたね。テレビで「カバチタレ」が放映された影響からか88,651名だったんですね。
あの頃はリーマンショックで景気も悪く、またその後は東日本大震災もありました。その年は受験したくてもできない受験生が多かったと聞きました。そして今年はコロナ渦での受験でしたから、その時その時に負けない受験生の志には頭が下がります。
勉強は誰のため?
行政書士試験の合格発表は令和3年1月27日(水)となっています。
これがですね、とても長く感じるわけです。何度不合格の夢を見たことか。でも、それだけ真剣に取り組んでいたからこその夢だったのかもしれません。
受験時代は当然に自分のための勉強です。貴重な自分時間を全て注ぎ込み合格を目指しました。飲み会も断って、お正月も勉強してましたよね。ですが、合格した時からすべてはお客様のための勉強に変わっていきます。
役所に行って許認可を申請したり、遺言書を作成したり。お客様は自分や家族の将来のために仕事を依頼してきます。それをいい加減な知識で対応しては、迷惑どころか、お客様の人生を狂わす原因にもなりかねません。
コロナ渦で変わっていくものと変わらないものを見極める
今年は新型コロナウイルス感染症の影響で、諏訪支部として「持続化給付金」や「家賃支援金」、「持続化補助金」の申請等を各市町村の商工会議所等を通じてお手伝いして参りました。ここまで行政書士が活躍した年はないのではないでしょうか。
行政書士は代書屋とも言われていますが、今年の時代の流れを考えると、行政書士がもっともっと行政主体に働きかけ、提案をしていく場面が大幅に増えていくと考えています。書類を書いていればいい時代は終焉を迎え、行政書士側から行政主体や行政庁に働きかけて時代を動かす資格へと移り変わっていくと思うのです。
日本は菅総理大臣に代わり、デジタル庁の創設へと向かっています。今まではIT行政の担当が内閣府や総務省、経産省等に分かれており、コロナ対策で迅速な対応が出来ずに、それが安倍内閣の支持率の低下にも繋がりました。デジタル庁の創設で、予算も一括計上でき、各省のシステム規格も統一しやすくなります。また2022年度からは、建設業許可や経審がGビズを使った電子申請で出来るようになります。これで国交省と経産省が連携されることになります。運転免許証や保険証のデジタル化も検討され、また最大の目玉は押印の廃止です。また住民票の発行や罹災証明書の発行がLINEで出来るようになるかもしれません。コロナをきっかけとして、時代はますます大きく動いていきます。
デジタル化は、申請手続きが書面からパソコンに代わるといった単純なものではないと考えています。そこに係わる法整備や、各省庁や地方自治体の対応について行政書士自らが提案し、社会貢献ができるといったフィールドが拡がってくると期待されます。
この時代を乗り越え、住民の生活が向上するよう、常に学び、知識をアップデートして参ります。
朝晩めっきり寒くなりました。一日も早くコロナが収束するといいですね。これから信州は冬本番を迎えます。どうかみなさまご自愛ください。